マコなりです。今日は「人は『コンセプト』を手放すときに敗北する」という話をしようと思います。
皆さんも是非「コンセプト」を大事にしてほしいです。 なぜなら、人が人生・ビジネスにおいて敗北する瞬間というのは、コンセプトを失ったときだからです。
コンセプトというのは、すごく抽象度の高い言葉なので、これだけだと何を言っているのかわからないと思います。今回はその言葉の定義に関しても、しっかり話していきます。
まずお話ししたいのは、最近あった良いことについてです。
最近YouTubeが復調しています。
実は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言があった頃から、あまりYouTubeの再生回数が増えず(すごく落ち込んだというほどではなかったのですが)、一時期の勢いは失ってきたという感じでした。
それがここ最近は、
「 【生産性UP】買わないと損!全国民がニトリで今すぐ買うべきモノ 5選 」
「 【生産性UP】買わないと大損!全国民が無印良品で今すぐ買うべきモノ 5選 」
上記の動画もすごく伸びました。それ以外にもヒット動画が多くなっている状況です。 調子をどんどん取り戻していると思います。
以前チャンネル登録者数が1日4000人ペースで増えていた頃には、月間の再生回数がもうすぐ1000万回にタッチするのでは、というところまで達していました。
コロナ後は月間600万回再生くらいまで一度落ち込んでいたものの、今はまた増えていて、900万回に近付いています。
最近公開した動画では、 「 【絶対いらない】家から今すぐ捨てるべき家電 TOP5 」 とかも伸びました。
これは偶然ではなくて、必然だと思っています。
必然というと「すべて予感していました」とでも言いたげな印象ですけど、それも間違ってはいません。
というのも、私は一貫したコンセプトで、ほぼぶれることなく、今までずっとやってきました。
コンセプトというのは、「YouTubeチャンネルにおいて大事にしていることは何か」ということです。
具体的に言うと、まず「わかりやすいトーク」。どんな人でも理解できるような言葉づかい・説明をする、ということですね。
具体例をふんだんに使う、挿絵をたくさん使って映像でイメージしやすくする、強調ポイントにサウンドエフェクトや画像を入れるなど、そういったことです。 演出もたくさん盛り込んでいます。
2つ目は「面白いトーク」。
そのようなコンテンツにしたいと思っています。
マコなり社長の最初の動画は、プログラミングについて語ったものでした。
「 実は簡単!?素人から月100万稼ぐエンジニアになった話 」
この動画は反響音が多く入ってしまっているなど音質が悪くて、今振り返ると「ダメダメ動画」です。それでもちょっと面白い要素などを当時の自分なりに入れていました。
最初の動画から、すでに「マコなり社長のYouTube」のコンセプトは始まっていたのです。
3つ目は「誰でも観られる切り口」。 どんな人でも興味を持ってくれるようなサムネ画像、タイトル。 こういうものを一貫して大事にしています。
もちろん実験として、他にも色々とやってきたことはあるものの、基本的には「どんな人でも観てもらえる」ようにしています。
たとえば「プログラミングに興味を持っている人だけが観る動画」とかはつくらないようにしています。
最後は「すぐに実践できて役に立つこと」。
マコなり社長の動画を観ている人は「アクションプラン」という言葉がたくさん並ぶことに気付いていると思います。
必ず最後に「具体的にこうしたらいいよ」というアクションプランをお伝えしています。
抽象的な「こういうことはやってはダメだよ」とか、「こういうのがいいらしいよ」という話をして終わりではありません。
具体的に「今から、明日から、これをやれ」と言うからこそ、「実際に行動できて人生が変わった」「この動画の内容をちゃんと実践すると本当に良いことがあるな」と1回でも思った人が、また観ようと思ってくれるのだと思います。
だからこそ、アクションプランを大事にしています。
そしてYouTubeを観る人たちというのは、「抽象の理解」が苦手な人が多いと思います。抽象度が高くなればなるほど、理解できる人は減っていきます。
たとえば、数学の洗練された公式というのは、シンプルですよね。抽象度が極めて高いものです。
そういったものを正しく理解するというのは難しいです。 抽象度が高いほどに物事は難解になっていきます。 たった一言を理解するのにも、たくさんの知識・背景がないと正しく理解することはできません。
YouTubeというのは、そんな小難しい場所ではないですよね。 老若男女、知識がある人もない人も色々な人が観ています。どちらかというと、観ているのは知識がない人の方が多いです。
ということは、具体的でないと理解されない、という話になります。 ものすごく具体的に、わかりやすく言ってあげないと、観ている人は実践できません。
「こういう方向性でやるといいよ」という抽象度の高いことを言ったとしても、それを自分の人生の行動に落とし込むことができないからです。 抽象度の高い言葉は、他人事に思えてしまうのです。
だからこそ私は「なるべく具体的なアクションプラン」「これをやるだけでいい」という話をしています。
この4つのコンセプト、「わかりやすいトーク」「面白いトーク」「誰でも観られる切り口」「すぐ実践できて役に立つ」というものを、ずっと一貫してやってきました。
逆にやらないようにしたこともあります。 それは**「自分語り」をすること**、「人気者気取りのファンしか観ないような動画」を撮ることです。
あくまでも「今こういう動画を出したらどうなるのかな」という実験として、そういう動画を公開することもあるのですが、基本的にはやらないようにしています。
たとえば「美味しいものを食べに行ってみた」とか、そういうファンしか観ないような動画は公開しないようにしています。
あとはニッチすぎるテーマも避けています。 先ほども挙げたようにエンジニアだけが観る動画とか、大学生向けとかも(いつかは公開するかもしれないですが)基本的にはやりません。
あとはビジネスのマネジメントをしている人向け、上司向け、社長向けとか、そういうものもやらないようにしています。
これらすべては意図的に排除しています。
それともうひとつ、「小難しい、抽象的な言葉づかい」も、先ほどもご説明したように観る人が理解しにくいため、避けるようにしています。
実践につながらない話も、もちろんしません。 このようなコンセプトをずっと守ってきました。
山あり谷あり、試行錯誤したことはあります。 10回のうち1、2回は、ちょっと変わり種として自分語りをしてみたりとか、ふざけすぎたものをやってみたりとか、そのような挑戦もしています。とはいえ、あくまでそのくらいの比率での挑戦にとどめています。
たとえば「ドラえもん」の、のび太くんのコスプレをした動画を出したりもしています。あれも、10回のうち1回のひとつの実験ですね。
そのような動画もやってみることで、新しい気付きや学び、新しい活路を見出すこともできるので、挑戦はしています。
とはいえ、その他の90%の動画においては、常にコンセプトを守り続けているのです。
登録者数が100万人を超えたら、このコンセプトも崩して「ドッキリ企画」とか、やりたいことをやってみようかなという気持ちはあります。
ただやはり、コンセプトを捨てたらいけないのかなとも思っています。
なぜこのコンセプトが大事なのかというと、やはりやらないことが決まるからだと思います。
私がよく例に挙げているのは、使い古された話ではあるものの、スターバックスの「サードプレイスをつくる」というコンセプトです。
スターバックスは「単にコーヒーを飲めれば良い場所ではなく、自宅でも会社でもない、もうひとつの自分の居場所を提供している」というコンセプトがあるからこそ、「飲んだらすぐ出ろ」という空気もないし、内装にもこだわって居心地の良い雰囲気をつくっていますよね。
そのコンセプトがあることによって、「やらないこと」がたくさん決まっていると思います。 たとえば「全席禁煙」というのもいち早く実施していましたし、そうしたことがサービスのブランドをつくっていきました。
「スターバックスといえば、ああいう場所だよね」というイメージを皆が持っていて、結果的にマーケティングコストが下がっています。
どんなサービスかというのを皆が想起できる、それは一貫したコンセプトで事業が運営されているからですよね。
あとはファストファッションブランドの「ZARA」もそうです。
ZARAは絶対にCMをつくりません。その代わりに一等地に店舗を出して、そこを広告塔代わりにするという戦略です。 一等地に店舗があれば皆見るだろう、CMなんていらない、という考えですね。
そして1、2週間のサイクルでどんどん商品を入れ替えていく。 そうすることで、いつ店に行っても新しい洋服がある。 行く度に新しい洋服があるから、また買いたくなる、というポジティブループをつくっています。
本当はやろうと思えば、もっと出来ることはあると思います。 たとえば、ユニクロのような定番商品は、ZARAはつくりません。
反対にユニクロは定番商品があり、商品を頻繁に入れ替えたりはしないんですよね。
新しい商品がたくさんあるように見えますが、しっかりと長い期間をかけて企画し大量生産して、素晴らしい品質の服をたくさんつくってたくさん売る、というビジネスモデルです。 ZARAとはまったく違いますね。
それぞれに善し悪しがあって(個人的な好みとしては、ユニクロの方が好きですが)、優位性があります。どちらも**「やらないこと」を決めていて、そこに強みが生まれている**わけですよね。
ここからは本当に学ぶことがあって、とにかく一貫したコンセプトを守らなければいけない、と思わされます。
優れたコンセプトには2つの条件があります。
まず1つ目は「顧客にとって価値があること」。 コンセプトが決まっていれば何でも良いというわけではなく、そのコンセプトが誰かにとって価値がある必要があります。
スターバックスをまた例に出すと、「家にも会社にも居場所がない」という人や「もうひとつ新たな居場所をつくりたい」という人にとっては、非常に優れたコンセプトと言えますよね。 ちょっと息抜きをしたいと思ったときに、そういう場所があるというのは素晴らしい価値です。
2つ目の条件は、「やらないことが決まること」。 先ほど「コンセプトが決まればやらないことが決まっていく」という話をしました。つまりこれは、やらないことを決めるために、「選択と集中」をしているコンセプトでなければいけない、ということです。
「自分の店のコンセプトは世界中の人を幸せにすることだ」とか、「美味しいコーヒーを提供することだ」とか言ってしまうと、コンセプトの範囲が広すぎて、やらないことを決めることができません。
たとえば、私が運営している「TECH CAMP」のコンセプトは「最高の学習環境・最高の学習効率で、プログラミングを学べる環境を提供する」というものです(表現はケースバイケースで変えてはいます)。
「最高の学習環境」と言っているので、とにかく「やりきれる、効率よく学べる、迷わない」ということに対して投資しています。投資している分、値段が高くなっています。
その代わり、確実に結果は出します。 そういうコンセプトで、ここまで成長することができました。
逆に「安くサービスを提供する」とか「たくさんの人にプログラミングを好きになってもらうきっかけをつくる」とか、そういうことは一切やっていません。
やるからには本気でやってもらう、そのための体制をこちらは用意します、という姿勢でやってきました。
この体験からも、優れたコンセプトの条件の1つは「やらないことが決まる」だと言えます。しっかりと区切りをつけて決められると良いですね。
ただ実際は、自らコンセプトを捨ててしまう人が多いです。
たとえば、最初はユーザー目線で立ち上げたウェブサイトがあったとします。
「見てくれた人の役に立つ情報を提供したい」と思って立ち上げたにも関わらず、途中から「広告で儲けたい」という欲が生まれ、広告主が露出できる場所をつくることが目的と化してしまう。その結果、どんどんアクセスが落ちて低迷してしまう、ということはよくありますね。
広告自体がダメということではないです。ただしユーザー目線を失ってはいけません。
ずっとユーザー目線でしっかりと運営していれば、「見たい人が有料で見られるようにして、価値あるサービスにしよう。その代わり、広告は一切入れないことにしよう」などと、コンセプトに準拠したやり方もできたと思います。
そうすれば広告を貼るよりも大きなリターンを得られたかもしれないのに、広告を安易に入れてしまったばかりにコンセプトを失って自滅してしまう、こういうこともありますよね。
他のケースを紹介します。 何かヒットしている商品があった場合、もともとはその商品によいところがあったから売れていたはずですよね。
それが何となく伸び悩んだときに「なんだか売れなくなってきたな。じゃあもっと色んな種類をつくってみよう」となってしまうことがあります。
たとえば人気商品のタピオカミルクティーであれば、「甘いものが好きじゃない人にも買ってもらえるように」と、甘くないタピオカミルクティーを充実させたり、「アルコールを飲みたい人にも買ってもらえるように」と「タピオカカクテル」みたいなものを提供したりとか。 (タピオカカクテルって実在するんでしょうか。個人的にはあまり飲みたくないですけど。)
そのように色々と種類を増やしていった結果「何のお店なの?」という感じになってしまうことがあります。
最初は「この食感と甘いミルクティーの美味しさを楽しんでほしい」というような思いで商品をつくったはずなのに、色々なことに手を出しすぎて結局何をしたいのかわからなくなってしまう、こういうことはやってしまいがちです。
特に劣勢にいるとき、あまり上手くいっていないときに、自らコンセプトを捨ててしまいがちです。
このときに人はビジネス、または個人で何か挑戦をしていることにおいて、敗北に至るのです。
コンセプト厳守の原則は、個人の人生にもつながると思っています。
**コンセプトとは人生にたとえるなら「信念」**です。自分の人生はこんな風に生きたい、こういう理想の人生にする、という信念ですね。
私なら「人生にサプライズを」というのが自分の人生のテーマだと思っています。
人生を変える機会を提供したい、この想いに基づいてこのInside Storiesも「TECH CAMP」も、新規事業の「uncommon」も、他にも自分のやっていることすべてに関して、この理念に準拠して動いているわけです。
私が死ぬときは、この理念を捨てたときだと思います。 そのときに私は、必ず失敗します。
もちろん1つ1つのビジネスは盛り上がったり落ち込んだり、というのがあるものなので、時には上手くいかないこともあるでしょう。
私はビジネスの神様ではないので、すべてをコントロールできるわけではありません。
山あり谷ありで失敗することはある中でも、5年、10年と長期的に低迷するということが私に起きるとすれば、それは「人生にサプライズを」という自分の信念を捨ててしまったときだと確信しています。
結局ひとつの信念に基づいて生きていれば、自分のやることが決まるので、やらないことも決まります。 そして、自分の目指すべき理想の方向に力をかけ続けられるんですよね。
私であれば「人生を変える機会をつくる」という方向にずっと力をかけ続けているので、その「人生を変える」という分野において色々な学びを得られます。
例えば、私は特に教育で人生を変えるということをやってきたので、教育への知見をすごく深めることができました。
だからYouTubeができたし、新規事業であるオンラインビジネストレーニング「uncommon」もできました。これらはすべて一貫したコンセプトから生まれています。
私を信じてくれている仲間も皆、自分のコンセプト、信念があるからこそ、ついてきてくれているんですよね。
皆さんも何かしら人生のコンセプト、信念があるかと思います。
そして皆さんの人生の中で何か「失敗した」と思うタイミングがあるとしたら、自分のコンセプトを捨ててしまってはいないか、そういうことを考えてみてほしいです。
自分のコンセプトを捨てない限り、人は絶対に失敗することはないのだと思います。
ということで、今日の話が参考になったら嬉しいです。 今日も人生を変える1日にしていきましょう。