マコなりです。

私がよく紹介する『自分の中に毒を持て』という岡本太郎さんの本を、最近読み直しました。

そこで改めて強烈な感銘を受けたので、今日は皆さんにその内容を紹介しようと思います。

私の過去動画常識人間は成功しないという動画で内容を大体知っている方は多いと思います。

この本は何度読んでも気付きや、心の中が燃え上がるような情熱を与える存在です。

それは火に油を注ぐどころか、まるでガソリンを注いで爆発するようなエネルギーを与えます。

はじめは参考程度に少しだけ読み直そうと思っていました。

実際に読み始めたら夢中になって半分以上しっかり読み込んでしまい作業に支障が出るほどでした。

人生では常に安全な道と危険な道の二択を迫られている

まず、第1章のタイトルが衝撃です。

それは、「意外な発想を持たないとあなたの価値は出ないーー迷ったら、危険な道に賭けるんだ」です。

この言葉に全てが集約されています。

迷ったら危険な道に賭けろ。

道と聞くと、

  • 人生の岐路
  • キャリア選択
  • 結婚するかどうか
  • 会社の大きなプロジェクトに参画するかどうか
  • 起業するかどうか

このような連想をしがちです。

ただ、これは少し違います。

全ての日常の些事で常に「安全な道」か「危険な道」の選択を迫られている。

これが岡本太郎さんの考え方です。

たとえば、
「朝布団の中で起きようか、寝ているか」
「会社まで歩いていこうか、バスを使おうか」
「会議で心に思うことを言うか、怒られる可能性を考えてやめてしまうか」
このように人生は常に2つの分岐点にさらされているわけです。

これはかなり刺激的ですよね。

人生は積み重ねではなく積みへらし

冒頭にはこのように書かれています。

人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う

これが何を意味するかわかりますか? 人生は積みへらすべきという部分です。

普通の人は小学生・中学生・高校生・大学生そして大人になるにつれて、色々なものを積み重ねてきました。

はじめは教養として5教科から学び、中学・高校・大学と上がるにつれて難しく、専門的なことを学んできました。

会社に入ると会社のルールを覚えるように、積み重ねて自分を形づくってきたと思います。

そこで、このような言葉が生まれます。

自分らしさ」「自分らしく生きよう

この積み重ねた根源に自分の本当の姿があり、そこにペタペタと貼り付けるようなイメージで自分という人間を作り上げていくことが人生である。

これが常識人間の考え方です。

岡本太郎さんは、自分らしさなんてクソくらえだと主張します。

つまり自分らしさや、本当の自分の考えは必要ない。

これまで自分が積み重ねてきたことを全て捨て、全く新しい未知の自分に対峙する。

このような主張をしています。

自分が今までやってきたこと、それとは全く違うことをやるのは怖いことですよね。

「そんなことやってもいいの?」と感じるかもしれません。

皆さん、今まで積み重ねてきたことの多くは、他の人と同じようにやってきたことではありませんか。

たとえばキャリアです。 大企業でサラリーマンとしてのキャリアをスタートすれば、そこには何百人という同じ同期がいて、同じようなキャリアを積み上げていきます。

そんな中で、これまで積み上げたものは何も価値がないと否定し、ゼロから自分が本当にやりたいことをやろうという気持ちで何か取り組んだらどうでしょう。

きっと周りから「お前はなにやってるのか、バカじゃないの」などと思われてしまいます。

それでもやる。 このような厳しさを持って生きるからこそ、人生は面白いのではないでしょうか。

危険な道を選択して死に直面する

闘いは常に他人ではなく自分が相手である。

「世のすべての中で最も恐ろしいものは己自身である、あらゆる真実も愚劣も己において結局は決定されるもの」だと岡本太郎さんは語っています。

この本の最初から最後まで、「とにかく自分と闘え」と言っています。

岡本太郎さんが人生の危険な道を選び続けると決めたのは25歳のときです。

18歳でパリに飛び、画家として夢を描いて絵画を描き続けていました。

絵画を描き続けるうちに「自分の人生はこんな四角いキャンバスに絵を描き続けるだけでいいのか」という、疑問を持ってはいけない疑問を抱きはじめました。

「疑問を持ってはいけない疑問」とは、それに対して疑問を持ち始めると苦しくなってしまうことです。

絵描きとは絵をこのように描いていくものだという一般的な定義から、全く誰も答えを持っていない「四角い画面に描くだけが全てではない」という世界に飛び込むかどうかの選択を迫られたのです。

これは誰かに言われたわけではなく、岡本太郎さん自身の中で感じた疑問です。

またこの疑問は芸術家だけの話ではないと主張します。

たとえば会社員も同じです。

「このキャリアを進んでいけば、いつか出世して給料が上がるはず」
「自分の職能だけを磨き続ければ周りから尊敬され、会社でそれなりのポジションを築くことができる」

これに疑いを持ち始めると、最も危険な状態に陥ります。

なぜなら誰もわからず未来が見えないからです。

岡本太郎さんは、このような誰かが作った人生やルートからはみ出ることは、極端に言うと死を意味すると語るのです。

現在の社会は分業化されています。

私のような経営者が仕組みを作り、どんな人が入っても仕事ができるようにしています。

これは誰が悪いわけでもなく、またサラリーマンをやることが悪いという意味でもありません。

あなたが、もしそこに疑問を感じるあなたがいるのであれば、迷わず死を選べ。 つまり危険な道を選ぶということです。

私はこの「死を選べ」という言葉が好きです。

21歳で起業を決意したときに刺さった言葉が、この「死を選べ」でした。

死ぬような厳しい選択をすることこそが、本当の人生である。

このように言う人は普通いませんよね。

多くの人が「長生きをしろ」「無難な道を選べ」と言ってきます。

そんな中、岡本太郎さんは「死に直面しろ」と言うわけです。 これは本当に死ねと言って、自殺を推奨しているわけではありません。

本当に死を感じるような危険な道を選び続けろということです。

岡本太郎さんは25歳のとき、薄い夕陽が斜めに差し込むカフェのテラスで人生に絶望しながら街を眺めていたそうです。

「安全な道を取るか」「危険な道を取るか」

そのとき、バチバチと全身に力が入るような感覚とともに危険な道を選択することを決めたそうです。

それ以降、「自分はただの白い画面に絵を描くだけの人間ではない」という決意のもとヨーロッパを去り、太平洋戦争突入前夜の日本に帰国して芸術を始めることになります。

挑戦から逃げた者に新しい人生はない

当時の日本では、今まで描かれてきた「わび・さび」のような淀んだ色合いの画面でなければ高等芸術として評価をされなかったようです。

そんな世界の中で赤・青・黄色の原色をバチバチとぶつけ、周りからは「色音痴」や「下手」と散々な悪口を言われたようです。

しかも世間から見て変な絵を描いているため、当然収入は得られないような状況でした。

それでも「お前はおかしい」という権威に反発し、人の言わないことを言い続け、闘いながら人生を切り拓いていきました。

これは痺れますよね。

私も起業家として、確かに世の中ではマイノリティーかもしれません。

私が起業した当時も、経営者はたくさんいました。 また私の知る限り十数人は学生の起業家がいました。

芸術家で、描いたこともないような絵をいきなり描き始めることは、かなり勇気がいることだと思います。

私は起業当初、SNSを作っていたのでユニークな経験をしていたと思います。 とはいえ、SNSを作っていたのは私1人ではなく、当時色々な人が作っていました。

このような背景とは異なり、国に1人で戻り新しいことに挑戦し続けて闘うことは本当にすごいことだと思います。

岡本太郎さんは次のように言います。

挑戦した不成功者には、再挑戦者としての新しい輝きが約束されるだろうが、挑戦を避けたままでオリてしまったやつには新しい人生などはない。 ただただ成り行きにまかせてむなしい生涯を送るにちがいないだろう。 夢がたとえ成就しなかったとしても、精いっぱい挑戦した、それで爽やかだ。

この言葉に感化されて起業したのが私です。

私なんて全然大したことないんですよね。

また岡本太郎さんは次のように言います。

戦後、ぼくが猛烈に闘いはじめた頃、親しい友人や、好意的なジャーナリストは真剣に忠告してくれた。 『あなたのようなことを言ったりやったりしたら、この社会から消されてしまいますよ。西洋なら別だが、日本では通らない』

厳しい忠告ですよね。 それに対して次のように返します。

『消されるなら、それで結構。とことんまで闘うよ』

ここまで覚悟を持って生きるということに対して、私は本当にかっこいいと思ってしまいました。

常識人間で終わりたくないInside Storiesの皆さんへ

この本を他人に読ませると、中には強い抵抗感を持つ人がいます。

「そんな厳しい人生は嫌だ」
「死を意識して、迷ったら危険な道を選ぶような人生は向いていない」

私はそう思うなら何もやらなくてもいいと思います。

このInside Storiesを購読してくださっている皆さんや、私のYouTubeを見てくださっている方は違うと思います。

自分の人生で不完全燃焼な何かがあり、もっと何かをやりたい、自分は世界をよくできるはず、もっと世の中に貢献できる存在になれるはずだと信じているのではないでしょうか。

そんなとき、この本はすごく勇気を与えてくれます。

意外な発想を持たないとあなたの価値は出ないーー迷ったら、危険な道に賭けるんだ

私も今の自分のポジションや、やっていることに満足せず、積み上げたものを捨てて、新しい挑戦を続けていこうと思います。

それが皆さんと一緒なら、なお嬉しい限りです。

今日のまとめ
私たちの人生では、安全な道と危険な道の2つの選択を常に迫られている
今まで積み上げたものを一切捨て、未知の自分に対峙することが人生を楽しくする
本当に死を感じるような危険な道を選び、自分と闘い続けることに価値がある
「夢がたとえ成就しなかったとしても、精いっぱい挑戦した、それで爽やかだ。」という言葉に感化されて起業した
自分の人生に強いインパクトを持たせたいなら、積み上げた経験や常識を捨て、新しい挑戦を続けていこう

意外な発想を持たないとあなたの価値は出ない

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